2025.05.08
ドローン操縦には資格が必要?国家資格の概要・取得費用を解説
2022年12月、ドローンの操縦に関する国家資格が誕生しました。民間資格も数多く存在するため、ドローンを扱うためには資格が必要なのかと考える方も多いでしょう。
今回は、ドローン操縦の国家資格制度である「無人航空機の操縦者技能証明制度」の概要や受験資格、取得費用、取得時に受け取れる可能性がある補助金・助成金について解説します。映像制作を目的としてドローン導入・資格取得をご検討中の方は、プロ仕様の機材や専門技術・知識を有する制作会社への依頼も検討してみてください。
ドローンを飛ばすだけなら資格は不要
結論から述べると、ドローンを操縦すること自体に資格は必要ありません。
ドローン操縦の国家資格制度として「無人航空機の操縦者技能証明制度」がありますが、これは自動車や船舶のような免許ではなく、一定以上のドローン操縦の技能を有していることを証明するものです。
そのため、資格を持っていない方でも、航空法や電波法などの法律や運行ルールに従えばドローンを操縦できます。
ドローンの国家資格「無人航空機の操縦者技能証明制度」とは
「無人航空機の操縦者技能証明制度」とは、2022年12月5日に誕生したドローン操縦に関する国家資格制度です。日本海事協会が行う学科試験・実地試験・身体検査に合格するか、国の登録を受けた講習機関による講習を修了したうえで、同実地試験・身体検査に合格すれば取得できます。
「一等無人航空機操縦士(一等資格)」と「二等無人航空機操縦士(二等資格)」の2つの区分があり、資格を取得した方のみ、一般には認められていない空域・方法による「特定飛行」が可能になります。ドローンを飛ばしたい場所や方法によっては、国家資格が必要になる場合があるということです。
ドローン国家試験の受験資格
ドローン国家試験(無人航空機操縦士試験)の受験資格は、以下の2点です。
〈無人航空機操縦士試験の受験資格〉
- ・16歳以上であること
- ・航空法の規定により国土交通省から本試験の受験が停止されていないこと
16歳以上の方であれば、基本的に縛りなく受験ができます。ただし、以下の欠格事由に該当する方は、航空法百三十二条の四十五・四十九に基づき、試験の合否に関わらず技能証明の取得ができません。
〈無人航空機操縦士試験の欠格事由〉
- ・十六歳に満たない者
- ・法第百三十二条の四十六第一項ただし書(第一号から第三号までにかかる部分を除く。以下この項において同じ。)の規定により技能証明を拒否された日から起算して一年を経過していない者若しくは同項ただし書の規定により技能証明を保留されている者又は同条第三項の規定により技能証明を取り消された日から起算して一年を経過していない者若しくは同項の規定により技能証明の効力を停止されている者
- ・法第百三十二条の五十三(第一号から第三号までにかかる部分を除く。)の規定により技能証明を取り消された日から起算して二年を経過していない者又は同条の規定により技能証明の効力を停止されている者
- ・法第百三十二条の四十九第二項の規定により、試験に関する不正行為に関係のある者として定められた期間試験を受けさせないこととされている、当該期間が経過していない者
このように、受験・資格取得を検討している方のほとんどは気にする必要はありませんが、念のため確認しておきましょう。
ドローン国家資格の取得にかかる費用
無人航空機の操縦者技能証明制度の学科試験・実地試験・身体検査を受験するためには、以下の手数料(いずれも非課税)がかかります。
【学科試験】
一等学科試験 | 9,900円 |
---|---|
二等学科試験 | 8,800円 |
【実地試験】
回転翼(マルチローター) | 一等 | 基本:22,200円 限定変更:20,800円 |
---|---|---|
二等 | 基本:20,400円 限定変更:19,800円 |
|
回転翼(ヘリコプター) | 一等 | 基本:22,600円 限定変更:21,200円 |
二等 | 基本:20,900円 限定変更:20,300円 |
|
飛行機 | 一等 | 基本:23,800円 限定変更:22,400円 |
二等 | 基本:21,500円 限定変更:20,900円 |
【身体検査】
書類での受検 | 5,200円 |
---|---|
会場での受検 | 19,900円 |
登録講習機関の講習を受けたうえで受験を希望する場合は、各機関に受講料を確認しましょう。
ドローン国家資格の取得時に受け取れる補助金・助成金
国家資格の取得や、ドローンの導入・活用に利用できる補助金・助成金として以下のようなものがあります。
〈ドローン国家資格の取得時に受け取れる補助金・助成金〉
- ・人材開発支援助成金
- ・小規模事業者持続化補助金
- ・事業再構築補助金
- ・ものづくり補助金
- ・IT導入補助金
- ・成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)
これらのほか、各自治体が独自に補助金制度を設けている場合もあります。資格取得費用を大きく節約できるため、ぜひ注目してみてください。
ドローンの民間資格は取得すべき?
ドローンの国家資格が誕生する以前から、ドローンに関する民間資格は複数存在しています。ドローンに関するスキルをビジネスに役立てたい場合は、国家資格に加えて民間資格も取得しておくことで、知識や技能を強く裏付けられるでしょう。
「DJI CAMPスペシャリスト」などの一部の民間資格には、取得することでドローン飛行申請の手続きを簡略化できるメリットもあります。より高度な知識・技能を身に着けたい方は取得を検討してみてください。
動画撮影にドローンを取り入れるメリット
近年、ドローンを使って撮影された動画を目にする機会が増えています。動画撮影にドローンを取り入れる主なメリットは以下の3つです。
〈動画撮影にドローンを取り入れるメリット〉
- ・ダイナミックな印象の動画が作れる
- ・動く被写体を追いやすい
- ・人が立ち入れない場所を撮影できる
ダイナミックな印象の動画が作れる
ドローンで撮影する動画は、他の手法では再現できない独特なインパクトを持っています。そのため、視聴者が新鮮に感じて注目されやすくなったり、深く印象に残ったりする可能性があります。
動く被写体を追いやすい
走る人や車など、動く被写体と並走しての撮影がしやすいのもドローンの強みです。操縦せずとも被写体を追いかけてくれる自動追尾機能を搭載したドローンも存在します。
人が立ち入れない場所を撮影できる
高所などの人が立ち入って撮影をするのが難しい場所も、ドローンを飛ばせば簡単に撮影を行えます。小型なマイクロドローンの開発も進んでおり、狭い空間に入り込んで撮影をすることも可能になりつつあります。
まとめ
ドローンに関係する国家資格制度として「無人航空機の操縦者技能証明制度」があります。講習や試験・身体検査を経て、「一等無人航空機操縦士(一等資格)」や「二等無人航空機操縦士(二等資格)」を取得すると、一般には認められていない空域・方法でのドローン飛行が可能になるという資格です。
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